事例問題:常連客から窃盗の濡れ衣を着せられた
事例
相談者:
伊藤沙織(30代・女性)
職業 ホステス
相談内容:
ねぇ、マジでやばい話があるんだけど、聞いてくれる?私ね、今、ちょっとしたピンチに陥ってて。バーで働いてると色んな人が来るじゃない?普段からちょっとキツめに振る舞ってるけど、それって自分を守るためなの。でも実はかなり心配性で、すぐにビビっちゃうタイプなのよね。見た目もちょっと派手かもしれないけど、それだけで変な誤解されることもあるし。
でね、この間、バーに来た常連の客とゴタゴタしちゃって。その人、前からちょくちょく来てたんだけど、最近になって私に対して変なアプローチしてきて、完全に拒否したの。そしたらなんと、その人、貴重品を無くしたって言い出して、その責任をなんでか私に押し付けてきたのよ。信じられる?しかも、警察にまで行って、私がお金を盗んだって言ったらしい。マジで関係ないのに、警察から呼び出されて、めちゃくちゃ不安だよ。
こんな時、どうすればいいと思う?私、犯罪なんて縁もゆかりもないし、ただ働いてるだけなのに。こんな風に疑われるなんて、全然フェアじゃないよね。自分の無実を証明するために、何か手を打たなきゃいけないけど、どうすればいいのかな?こんな状況で、自分を守るために使える法的な手段ってあるのかな?
状況の整理
- 常連客とトラブルが発生
- 客が不適切な言動を繰り返す
- 客が貴重品(財布からの現金)を失ったと主張
- 客がホステスが盗んだと警察に通報
- 警察から事情聴取を受けることに
- 犯罪歴なし、仕事をしているだけ
- 無実を訴えている
- 法的な保護を求めている
身柄拘束前の弁護活動
それは災難でしたね。今回のケースについてとるべき対応を考えていきましょう。
さて、伊藤さんは、既に警察に事情聴取のため呼ばれているとのことでした。取り調べには時間がかかります。また、万が一、在宅の取調べから身柄拘束(逮捕)されるということになると、仕事や日常生活に大きな不利益が生じます。
まずは、弁護士に依頼をし、弁護士を通じて警察に連絡をとってもらいましょう。あなたがどのような事実で警察から聴取を受けるのか明らかにした上、あなたの言い分を整理します。また、あなたの身元が明らかであることや、あなたが証拠隠滅や逃亡などをしないことなどを説得的に主張します。場合によっては、相手の男性に弁護士から接触し、その日本当は何があったのかを聞き出すことも考えられます。
このような弁護活動を通じて、逮捕や勾留、起訴といった不利益な処分を受ける可能性を軽減します。
伊藤さんに対する名誉毀損が成立する可能性
また、その男性が、警察のみならず、不特定多数の人にあなたが盗みを働いたと言いふらしているようであれば、その男性に対し、名誉毀損の責任を追及することも考えられます。
まとめ
刑事弁護は迅速な対応が大切です。不安な状況になったら、すぐに正式に弁護士に依頼しましょう。 また、伊藤さんは盗みを働いていないので、あくまで一般的な話となりますが、仮に本当は盗んでいた場合、窃盗の事実を黙秘したまま、相手方と示談を成立させて被害届を取り下げてもらうという弁護方針も考えられます。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
お問い合わせはこちら
ご依頼、相談日程の調整や業務内容へのご質問などお気軽にお問い合わせください